めがねのセル枠のほとんどに使われるセルロースアセテート樹脂の説明です。
現在では石油系の樹脂ばかり目にしますが、樹脂の先祖は植物から作られました。
約200年前から始まった合成樹脂への挑戦。セルロース(綿)を原料とする人工の象牙を発明され、これが世界初の樹脂と言われたものとなりました。
それはセルロイドと言われ世界初の本格的に商業化された樹脂となりました。
【発明のきっかけは象牙に代わるビリヤードの玉】
ビリヤードの玉は象牙で作られてたのですが、
製造会社が値段が高い象牙にかわる材料を発明した人に賞金1万ドルを出したことがきっかけと言われています。
今ではセル枠と言われるほとんどがこの綿花由来のセルロースアセテートを使った眼鏡です。
プラスチック枠の他には眼鏡型金型に樹脂(TR90、ウルテム)を流し込んで作るインジェクション枠やセルロイド(セルロースアセテートと同じ綿花由来樹脂)枠があります。
【マツケリー・セルロースアセテート製造動画】
アセテートの作り方
綿花由来樹脂
アセテートはもともと植物繊維から作られています。
「樹脂」と言っても、アセテートは科学繊維ではありません。
実は綿花と高純度パルプから作られた植物繊維なのです。
人体、環境にやさしい
植物繊維なのでヒトと同じ有機物です。
植物性の自然素材から作られているので肌に優しくアレルギーも少なく、そのため、肌に直接付けても温かみがあります。
また、植物系素材なので環境にもやさしい材料です。
色柄の組み合わせは無限大
ちりばめたり、寄木のように立体的に組み立てて作られる製造工程なので
色の組み合わせ、形状の組み合わせにより無限大の表現が可能。
透きとおるような透明度
透明度が非常に高いので、綺麗に色をつけることができます。
他の石油系の樹脂、ナイロンやポリエステル、ペットボトルの素材などは濁りがあり綺麗な色が出にくい。
それら石油系の樹脂に比べると非常に透明度が高いため、鮮やかな色を表現することができます。
さまざまな形に加工しやすい
植物性なので木のように切削が簡単です。
また熱に弱く、60°の熱で変形をし始めるので曲げたりねじったりも比較的簡単にできます。
柔らかく靭やか
樹脂の中でも比較的に柔らかく靭やかなため、曲げても割れにくいです。
ご自身の顔に合わせたフィッティングが容易に行うことができます。
艶出しが容易
石油系のプラスチックに比べ透明度があり表面が研磨しやすい。
濡れたような独特なツヤもこの材料の特徴です。
若干の吸湿性がある
植物性の自然素材から作られているので水分を微量に吸う性質があります。
梅雨の時期、乾燥した冬の時期に合わせて職人も微妙に加工方法を変えます。
熱に弱く、変形しやすい
自然由来の素材なので熱に弱く、耐久性も他のプラスチックに比べ劣り自然変形もしてしまいます。
そのデメリットを活かしてメガネはカーブを付けられています。
レンズは矯正するだけでなく変形を抑える役目もしています。
テンプルには強度をもたすため骨となる金属製の芯が埋め込まれています。
手作業で手間がかかる上、乾燥に時間を有する
製品として使える乾燥までに1mm=約1週間必要で納期がかかります。
メガネはフロント6.0mm,テンプル4.0mmが使われる場合が多く2ヶ月ほど納期がかかる場合もあります。