「ものづくり × ブロックチェーン」で課題解決を目指す「KISSO DAO PROJECT」 #2

2022.10.18

(#1 はこちらから)

 

KISSOのアクセサリーの希少価値をブロックチェーンで高める

 

 

田中:ところで、前段で「ブロックチェーンの特性を生かせば、KISSOに今ある課題を解決し、進化できるのではないか」とありましたが、その課題とは何なのでしょうか?

吉川:2010年にアクセサリーブランド・KISSOをローンチしました。これまで約10年に渡る第1ステージでは、おしゃれでワクワクするような世界観を持つ高品質なアクセサリー商品をつくり上げることに専念してきました。

ジュエリーであれば宝石やプラチナ、金など、素材そのものに価値があります。しかしKISSOのアクセサリーの素材はセルロースアセテートという合成樹脂なので、素材としての機能的な価値は高くありません。

職人が磨き上げることで品質としての価値を高め、世界観を整えることで情緒的な価値を付け、ブランドとしての価値を高めています。

ジュエリーやラグジュアリーブランドとは違い、KISSOのアクセサリーは価値観に合うという理由でファンになっていただいていると思っています。なので、デザインとカラーの開発に全力を注ぎ、マーケティングやブランディングでブランド力や世界観の向上に取り組んできました。

しかし、KISSOのアクセサリーにも表現できていないだけで、実は希少価値性はあるのです。大量生産ができるものではなく、限定でしか生産していません。それをうまく表現できていないのが現状の課題です。

 

田中:では「KISSO DAO PROJECT」によって希少価値をわかる形にするということでしょうか? 

吉川:いいえ、少し違います。「KISSO DAO PROJECT」はあくまでもKISSOのファンコミュニティーであり、クリエーターたちとの商品開発プロジェクトです。

現時点では、KISSOのアクセサリーの希少価値は、KISSOが発行するNFTで表現します。

ブロックチェーン技術はデジタルデータに唯一の価値を持たせることができます。つまり、コピーすることのできない代替不可なデジタルデータ、NFTを作成できるということです。

このNFTに紐付けられたコンテンツは、不変で独自の価値を保有します。

つまり、NFTに紐づけられたリアルの商品は鑑定書が付くことになり、それによって希少価値がより高まるのです。

最終的にはKISSOのコンセプトだけを残して商品をデジタル化し、メタバースで使えるデジタルジュエリーを開発することも考えています。目標は世界初のデジタルジュエリーブランドをつくり上げること。その第一歩が「KISSO DAO PROJECT」なのです。

 

ワクワク体験ができるものづくりのテーマパークへ

 

 

田中:「KISSO DAO PROJECT」は、KISSOのファンコミュニティーとそれを支える仕組みだけでなく、その先にまだ誰も見たことのない新しいコンテンツを生み出すことになるのですね。

吉川:実は、将来的には「KISSOLAND構想」と連動する仕組みを考えています。

「KISSO DAO PROJECT」は未来に向けたWEB3.0のプロジェクトであり、会社として現在取り組んでいるのは「KISSOLAND構想」です。リアルにおいてものづくりを体験し・学び・楽しむ、ものづくりのテーマパークをつくりたいと思っています。

すでにものづくり体験イベント・RENEWへの参加など、産業観光への取り組みを行っています。

さらに今後、メタバース上にもKISSOが発行したNFTというパスポートで入国できる「KISSOLAND」をつくり、入国した人には「ワクワク学ぶ・ワクワクする・ワクワクを考える」体験をしてもらう。

そんな構想を抱いています。世界中の人たちをKISSOでワクワクさせたいのです。

学びたい、プロジェクトにかかわりたい人を取り込んで、インターンブログラムやアイディアハッカソンを開きたい。

Play to earn(プレイ・トゥ・アーン)、Creative to earn(クリエイティブ・トゥ・アーン)といったゲームをプレイしながらお金を稼ぐ。メタバース上で装着できるアクセサリーをつくって売買するような仕組みもつくりたい。

「KISSO DAO PROJECT」はこの「KISSOLAND構想」を具現化するための入口でもあります。「KISSO DAO」から協力者を集め、企画立案やアイディアの可視化、仕組み化へとつなげていきたいと考えています。

〈了〉

 

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・KISSO DAO PROJECT とは、KISSOLAND構想の実現に向けたWEB3.0実証実験プロジェクト

・KISSOLAND構想とは、KISSOをテーマパーク化するというもの→→現状、まだ詳細までは固まっておらず、DAOで揉んで具体化させたい。今のところ決まっているのは「リアルとオンラインでわくわくするコンテンツを提供する」。

・KISSO NFT は、DAO PROJECTで使用するNFT。リアルでアクセサリーを購入すると同じもの(画像)がNFTとして購入者に与えられる。このNFTはDAOへの参加チケット。また購入した金額によってポイントが付与され、ポイント保持者はDAO内で企画の提案が可能。また1ポイント=1票でDAO内の投票で使用できる。

・NFTとは、ノン・ファジブル・トークン(非代替性トークン)のこと。ゲーセンのメダルや引換券をデジタルで発行したものにブロックチェーンで唯一性を持ったもの。たとえば、10円は誰が持っても10円。でもNFTの10 KISSOは「Aさんの10 KISSO」「Bさんの10 KISSO」となり、AさんとBさんの人気の差で価値が変わる。

・DAO PROJECT では、ブロックチェーン・NFT・スマートコントラクトを用いて運営するDAO(組織=コミュニティー)の立ち上げを目指す

・ゴールは、ものづくりを通して学びと共創を行い、喜びを得ることができる多国籍なコミュニティー

・目標はKISSOとしてのNFTの商品開発=KISSO発行のNFTの供給量をコントロールし、サプライチェーンや流通の記録をブロックチェーンで記録。希少価値を付け、価値を担保する仕組みをつくる

・KISSOのファンコミュニティーのDAO化を目指し、ルールづくりやブランディングを行う

・DAOとは分散自律型組織=管理者がいなくてもプロジェクトを推進できる組織
①フラットで完全民主化されている
②メンバーによる投票でサービスは決定される
③直接投票による投票結果は自動的に実行される←スマートコントラクト
④提供されるサービスは自動処理される←スマートコントラクト
⑤過程などの情報はメンバーに公開され、透明性が高い

・スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上にルールをプログラムして自動的に実行する仕組み。したがってDAOに管理者および仲介者は必要ない。

・ブロックチェーンとは、ビットコインなど仮想通貨の基盤となる技術。参加者による不正や正常でない動作に左右されず、正しい取引が可能な仕組み。さらに改ざんが非常に難しく、参加者全員が同一のデータを保持できるので全体でのシステムダウンが起こらない。また、取引の公正な記録を残すところから、仮想通貨や金融商品、保険契約だけでなく、食品トレーサビリティ、美術品の所有権、著作権管理などにも活用されつつある。

・KISSOLANDを具現化するための
①外部協力者集め
②企画立案
③アイディアの可視化
④仕組み化
をDAOで行っていきたい

・将来的には、メタバース上で使えるデジタルジュエリー(世界初のデジタルジュエリーブランド、Cripto Diracca)をつくる=ものづくり(工芸)×ブロックチェーンという新しいビジネスジャンルをつくる

 


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